がん保険は必要か不要か。掛かるお金と種類を元に必要・不必要の理由を解説

保険

はじめまして。

日本にはいろいろな保険がありますが、
その中でも特に入るかどうか悩む保険として「がん保険」があげられると思います。

今回は「がん保険の必要性」について、実際に掛かる費用をもとに解説していきます。

結論

 がんに掛かった時に掛かる費用+治療中で働けずに収入が減ってしまう分が確保できている、または現在加入中の保険で十分に補填できる場合は不要、そうでない場合は必要だと考えています。

がん治療に掛かるお金は20~100万円程度、減ってしまう収入は現在年収の1/3程度です。

保険は損害が発生した時に深刻なダメージを受ける場合に備えて入るものです。

昨今では
・現役世代のがん発症頻度はかなり低い
・高額医療費制度があるから費用はそこまで掛からない
・健康保険加入時は、療養中でも収入の2/3が保障される
という理由からがん保険は不要だという意見が散見されます。

しかし、
・現役世代の発症頻度は低いとしても可能性はある
・高額医療費制度があったとしても貯蓄が無い世帯(単身世帯では全体の33.2%)では
 深刻なダメージとなりえる
・2/3が保障されたとしても1/3は収入が下がり、
 収入ギリギリで生活している世帯にとっては大ダメージ
という理由から、収入に対する生活費の割合や貯蓄の状況によってはがん保険は必要だと考えています。

また、自分にとってがん保険が必要かどうか考えるには、がん治療にどれくらいのお金が掛かるのかを理解する必要があります。

次項にがん治療にお金がかかる種類とその概算について説明していきます。

がん治療に掛かる費用の種類

①治療費

 がん治療のための通院や入院、薬剤に掛かるお金になります。
 金額は罹患部位やステージによって変わりますが、自己負担額は乳ガンで平均15万円程度、白血病で平均46万円程度と言われています。
あくまで平均になるため、さらに掛かる可能性も考慮する必要があります。

②差額ベット代

 入院時に個室を選ぶなどすると「差額ベット代」が徴収されます。
 差額ベット代は1日平均6500円程度、また平均入院日数は17日程度といわれているため、
 全日差額ベット代が必要になると約11万円のお金が必要になります。
 もちろん不要な場合は掛かりません。

③食事費

 入院中の食事に掛かる費用です。
 掛かる費用は収入によりますが、ほとんどの人は1食460円掛かります。
 1日3食で1380円、17日入院すると約2万4千円が掛かります。
 差額ベット代とは関係ない費用で入院中はほぼ確実に掛かる費用です。

④生活用品、お見舞いの交通費など

  入院中の日用品についても自分で用意する必要があります。
  また家族がお見舞いに来る場合には交通費やホテル代が掛かる可能性があります。
  

⑤ウィッグ代

 抗がん剤治療を行うとなった場合、場合によってはウィッグが必要になります。
 ウィッグの値段はピンキリですが、フルオーダーメイドの高いものの場合50万円以上が必要になります。

がん治療による収入の変化

がん治療に伴い仕事が行えない場合、健康保険の加入者であれば1年半の間、収入の2/3が保障されます。
しかし、今まで収入ギリギリで生活していた世帯にとっては収入の1/3が直接的に家計へのダメージとなります。

がんを発見し、休職、または時短勤務となってからフルタイム勤務に戻るまでの日数は中央値で約200日になります。
年収が360万円、一月あたり30万円の場合、
・1日の収入1万円 × 2/3 = 6千円(差額4千円)
・4千円 × 200日 = 80万円
80万円が機会損失になる計算になります。

また、自分だけではなく家族の方も、お見舞いや仕事の見直しにより収入が下がる可能性も考慮する必要があります。

まとめ

治療費 + 減ってしまう収入の額はがんの内容や収入によって変わりますが、差額ベット代無や治療期間が短いなど条件が揃えば20万円程度で完了する場合もありますが、
保険の必要性を考える時は最悪の場合を想定すべきです。

そのため、治療の長期化やウィッグ代も必要となった場合などを想定し、少なくとも150万以上はいざというときのために貯めておく、またはその貯金が難しい場合はがん保険に入った方が良いと考えています。

また、いざがん保険に入る場合はシミュレーションした必要なお金と保険金を比較して、
無駄に高い保険金の内容で契約しないよう注意が必要だと考えます。

「高額医療費制度があるから大丈夫!」と安易な考えでがん保険に入ることを検討から外すのではなく、収入や治療費を理解したうえで自分の貯蓄と比較し、十分に検討してから判断するようにしましょう。

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